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【過去の情報】野付半島での行事のご報告
発信日:2008年06月10日
発信者:菊池 玲奈
前回のマルハナ通信(5月19日付)からちょっと間があいてしまいました。 5月30日から野付半島へ。その後、釧路、根室とまわり、6月3日に東京に 戻ってきました。関東はその間に梅雨入り・・・したはずなのですが、昨日の 夕方はスコールのような大雨ととどろく雷鳴。 今日はピーカンの青空と、強烈な日差し。 モニターの皆さんからも「今年は気候がおかしい」という声が沢山届けられ、 どんな夏がやってくるのか、ちょっと心配です。 でもちょっと嬉しいのは、ずっと見かけなかった「コマルハナバチ」の働きバチが にぎやかにサツキを訪れる姿を確認できるようになったこと。「今までいったい どこにいたの?」と思わず話しかけてしまいます。 皆さん、お元気でお過ごしですか?マルハナバチたちは飛んでいますか? もし5月までの調査結果をお手元にお持ちでしたら、お手数ですがファックス、 メール、郵送など、いずれの方法でも構いませんので、菊池宛にお送りいただけると 幸いです。 =5月31日~6月1日、野付半島での行事が無事に終わりました= 野付半島と別海町で開催される「マルハナバチウォッチング」と「マルハナバチ シンポジウム」を控え、5月30日の昼過ぎに根室中標津空港に降り立ちました。 昨年、「野付半島でセイヨウ発見!」の報を受け、あわてて一泊二日で現地に 赴いたときのこと。「このままでは大変なことになる。来年、シンポジウムを開催 しましょう!」という研究室の鷲谷先生の一言からはじまった、一連の行事。 現地の皆さんのお力添えのおかげで、無事に終了することが出来ました。 ありがとうございます。早速、ご報告いたします。 空港からまず、野付半島に向かいます。「思ったより寒くないねえ」などと機嫌良く みなで半島を下見します。 が・・・まだお花が少ない!かろうじて咲き始めた「タンポポ類」が頼りです。 ![]() 早速あらわれました「ノサップマルハナバチ」。ね、お尻が白くないでしょう? しかもまるまる太って、重そうなこと・・・。色合いは似ているものの、普段 セイヨウの「素早さ」を見慣れてしまっていると「おいおい、頑張れよ」と 思わず声をかけたくなります。この日はなんと、もっとも見かけたマルハナバチが 「ノサップマルハナバチ」。なんとも気分のいい一日となったのでした。 翌日、行事第1弾の5月31日の午前中のマルハナバチウォッチングには、 環境省のレンジャーの方や、地元の自然保護団体の方など、30名以上が 集まって下さいました。 ![]() 実は、行事開催までに、今年はすでに12頭のセイヨウオオマルハナバチの女王が 野付半島で捕獲されていました。環境省のレンジャーや、地元の方達がしっかり 監視して、捕獲して下さったのです(ありがとうございます!)。 昨年、野付半島で確認された巣は、新女王バチやオスバチを出すまえに掘り出す ことができました。にもかかわらず、今年の春、半島の広範囲でセイヨウの女王バチが 捕獲される、ということは、残念ながら昨年、すでに複数の巣が野付半島にあり、 そこから新女王を輩出した可能性が高いことになります。この日の行事でも、寒くて あまりハチの動きが活発でなかったにもかかわらず、3頭のセイヨウオオマルハナバチの 女王バチが捕獲されました(写真、とりわすれました。ごめんなさい!)。 翌日6月1日はあいにくの空模様。雨こそ降っていませんが、前日を上回って寒い、寒い!! にもかかわらず、この日も地元の方が沢山集まってくださいました。 ![]() 風も強かったため、さすがにハチは飛ばず。。。せっかくお集まりいただいた皆さんにマルハナ バチを見ていただけなかったのが残念! でも、今後の日常的な観察にむけて、皆さん、熱心に質問を寄せて下さいました。その表情は 真剣そのもの!「野付半島の自然は、私たちの力で守る!」という熱い思いに、感激した 時間でした。 シンポジウムにも沢山の方にお越しいただきました。 別海町、環境省釧路自然環境事務所、野付半島ネイチャーセンターなど、地元の皆さんが、 お忙しい中、行事をとりまとめてくださったおかげです。本当にありがとうございました。 そして、野付半島の自然を未来に引き継ぐために、今後とも継続的な監視をどうぞよろしく お願いいたします。 =おまけの写真= ![]() タンポポにはナガマルはナバチもやってきました。 ![]() 野付半島では、干潟に普通にタンチョウがいます!いちいち「きゃーっ」と声をあげる私たちを よそに、地元の方たちは「なーんも、いつもその辺におるよ」とのこと。唖然・・・。 今回、シンポジウムでご講演をいただいた、京都大学の加藤真先生が、万葉集の山部 赤人の歌を紹介して下さいました。 「若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴き渡る」(和歌の浦に潮が満ち、干潟が なくなるので、葦のほとりを目指して、鶴が鳴き渡ることよ) これは、紀州の和歌浦で詠まれた歌ですが、昔は、日本中の干潟で、こうした風景が見ら れたはず、とのこと。その風景が今も引き継がれている野付半島の自然の豊かさに、改めて 感動して帰ってきたのでした。 皆さん、お世話になりました。 |
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