【アーカイブ版】セイヨウ情勢 : 市民参加による外来種(セイヨウオオマルハナバチ)モニタリングと対策のためのリアルタイム情報共有サイト

- 最終更新日: 2015年12月28日
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【過去の情報】働きバチ、飛び始めました&行事の報告とご案内

発信日:2008年05月19日
発信者:菊池 玲奈
***トピックス***
1.速報!働きバチが飛び始めました。
2.5月31日~6月1日、野付半島と別海町で捕獲行事とシンポジウム開催決定
3.東川町の「女王バチ捕獲」と帯広の講演会、無事に終了しました
**********
 
今日の東京は、蒸し暑い!一足先に梅雨がやってきたような蒸し暑さ。
じっとしていても汗がにじみます。これから大雨がやってくる模様。
なんだか気候が定まらず、体調を崩す人も多いようですが、皆様、お元気で
お過ごしですか?
 
=働きバチの確認が相次いでます!=
 
5月16日、18日、相次いで働きバチの確認報告が相次ぎました!
以下、モニターさんからの報告です。
 
5月16日:雨竜町・J.S.さんから
今日は久しぶりにポカポカ陽気、木陰がちょうど気持ちいい。
神社のエゾエンゴサクもほぼ終わり。タンポポ真っ盛り、でもセイヨウは99パーセント、
タンポポに寄り付きもしない。初めて働きバチ2頭を捕獲。チッチャイ。でも花粉がでかい。
去年は5月30日に働きバチを確認捕獲、やっぱり2週間早い。捕獲も女王バチモードから
働きバチモードに切り替えなくちゃ、見過ごしてしまう。
 
5月18日:恵庭市・K.E.さんから
5月18日現在のセイヨウ捕獲数は560頭、(昨年587頭)です。スタートが早かった割には、
やはり去年よりも少ない印象です。
エゾは特に少ないという印象はありません。17日にエゾとセイヨウの働きバチ初確認です。
現在はヒメリンゴが人気です。
 
<Sさん提供の写真です。営巣に成功した女王バチが最初に生む卵は、10個ほどと
 いわれています。シーズンの一番最初の時期は、まだ一緒に働いてくれる「働きバチ」が
 いないので、女王が自分で集められる花粉だけを使って子育てするため、最初にうまれる
 働きバチは、栄養不足で体もとっても小さいのです。その後、働きバチの数が増えれば
 増えるほど、集めてくる花粉の量は増加。エサとなる花粉の量にあわせて、女王バチは
 産卵を続け、巣が大きく発達していきます。最初に生まれる小さな働きバチの捕獲は、
 巣に大きなダメージを与えることが予想され、高い効果が期待できます!> 
 
雨竜町の確認が、5月16日、恵庭の確認が5月17日。お二人とも、ほぼ毎日観察をして
くださっているベテランモニターさんなのですが、やっぱり同じ頃飛び始めるんですね。
しかも、こんなに気候が不順で、昨年とは全然マルハナバチの様子も異なっている、と報告が
きてるのに。皆さんから毎日届く報告を拝見しながら、研究室でさまざまな発見に、感動する
やら、おどろくやら、です。皆さん、ありがとうございます。
 
 
=5月31日、6月1日、野付半島・別海町でセイヨウオオマルハナバチの観察会と、シンポ開催!=
 
昨年6月、根室支庁・野付半島でセイヨウオオマルハナバチの女王バチが、地域の方によって確認
されました。その後、残念ながら8月には営巣も確認され、野付半島でのセイヨウ定着が、明らかと
なってしまいました。野付半島は、北海道内でもごく一部にしか生息しない、ノサップマルハナバチの
貴重な生息地。海岸に咲き乱れる野生の花々は、マルハナバチと植物が結んだパートナーシップの
証です。
 
ノサップマルハナバチは、セイヨウオオマルハナバチと見た目がよく似ている上、繁殖力がセイヨウに
比べて低く、セイヨウと間違って捕獲してしまうと、ノサップマルハナバチに大きなダメージを与える
可能性があります。そこで、地域の方にこの問題に関心をお持ちいただき、今後の監視に役立てて
いただけるよう、野付半島でのマルハナバチの観察会と、別海町でのシンポジウムを企画しました。
行事は、下記の通りです。
 
「野付半島シンポジウム 野付半島の自然とマルハナバチ」
日時:5月31日(土) 14:00~17:30
場所:別海町マルチメディア館 マルチメディアホール
「野付半島でマルハナバチウォッチング」
日時:6月1日(日) 9:30~11:45
場所:野付半島ネイチャーセンター付近など、半島内
詳細を、ワードファイルにて添付させていただきます。今回は、マルハナバチ研究の第一人者、京都
大学の加藤真先生にもお越しいただき、野付半島の自然の素晴らしさについて、科学的な立場からの
お話しもお聞かせいただく予定です。
ぜひ皆様、足をお運び下さい!
 
<シコタンタンポポをおとずれるノサップマルハナバチ。女王バチは
 お尻が白くありませんが、働きバチの一部は、お尻が白くなるという
 報告も・・・。ノサップマルハナバチの運命や、いかに!?>
 
 
=東川町での捕獲行事、帯広での講演会、ご参加ありがとうございました=
 
東川町での捕獲行事を翌日に控えた5月9日(金)。お昼過ぎに旭川空港に降り
たちました。そのつい数日前まで続いていた「初夏の日差し」を思わせる、散って
しまったツツジと、芽吹いた緑。しかし私たちを包むのは、なんと気温7度の冷たい
空気・・・。東京なら「冬」の寒さです。
地元・東川町のモニターさんの車で、セイヨウをさがすものの、当然1頭も見あたらず。
翌日の行事が開始される9時の「予測気温」はなんと3度。
「これは、もう行事が出来ないのでは・・・・」という心配をよそに、沢山の方が今年も
羽衣公園に足を運んでくださいました。その数なんと60名!
本当にありがとうございました。
 
 
当日は、東川町長も御挨拶にいらしてくださり、活動への気合いも入ります。
が・・・!皆さんお察しの通り、今年はハチが少ない!誰かが「見つけた!」となると、
あっという間にギャラリーが。
 
 
いつのまにか、咲いていたタンポポで遊び始める子ども達も現われ・・・
 
 
まったりと行事は終わったのでした。
今年の捕獲頭数は、合計37頭!うち1頭が花粉ダンゴ付女王でした。
標本は昨年秋に出来た慰霊碑に埋葬し、今年の活動のはじまりを報告したのでした。
 
 
その日の午後の「セイヨウオオマルハナバチを語る昼下がり」も盛況のうちに幕を下ろし、
その後、菊池は帯広へ。月曜の午後の講演会だったにもかかわらず、こちらにも60名を
超える方がご参加下さいました。
 
みなさん、おつかれさまでした!
 
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東川でも、旭川でも、帯広でも、そして、皆さんからいただく報告用紙でもメールでも
共通しているのが「今年はマルハナバチを見ない」ということ。
実は、東京もそうなんです。東大近くの「根津神社」(ツツジが有名)のツツジ祭りでも、
見かけない。ドウダンツツジも、コンフリーも咲いたけれど、見かけない。
母が好きでお花だらけにされているうちの庭でも見かけない・・・。いったいどうしたのでしょう!?
マルハナバチたち、どこにいるの!?
昆虫は、いわゆる「当たり年」と「外れ年」があり、昨年多かった地域では、発生数自体が
少なくなってるの?それとも、捕獲の効果?(在来マルハナバチも少ない、と皆さんおっしゃって
ますが)わからないことばかりですが、いずれにしても、もし本当に発生が少ない年なら、セイヨウを
叩くにはもってこい!
 
まだまだ長いシーズンですが、今後ともどうぞ、よろしくお願いいたします。
 
==おまけ==
 
旭川のスーパーモニター(ご夫婦で数千頭のセイヨウを捕獲してくださってます!)Iさんの勇姿。
ほかにも自転車や自動車に、工夫した「バスターズマーク」を貼ってくださる方が増えてます!
かっこいい!! 東川での行事の写真、下記の写真はいずれも、上川支庁のTさんにご提供
いただきました。ありがとうございます!