【アーカイブ版】セイヨウ情勢 : 市民参加による外来種(セイヨウオオマルハナバチ)モニタリングと対策のためのリアルタイム情報共有サイト

- 最終更新日: 2015年12月28日
本サイトは更新を終了しました。北海道生物多様性保全活動連携支援センター(HoBiCC)が運営する新「セイヨウ情勢」をご覧ください。

【過去の情報】6月末現在速報&ノサップマルハナバチを見てきました!

発信日:2007年07月02日
発信者:菊池 玲奈
>6月14日の入梅宣言以降、首を傾げたくなるほどの「夏日!」が続いた東京ですが、
ようやくここ数日、梅雨を感じさせるじとじとじめじめのお天気です。
でも「降るべきときに、雨が降る」ことはとても大切。農家の皆さんも、ほっと一安心
されているでしょうか・・・。皆さん、体調など崩されていませんように。
 
★ 6月末現在、女王バチの捕獲数がなんと!5,500頭を超えました ★
 
今シーズン最初の集計ですが、なんと!女王バチの捕獲数が5,500頭を超えている
ことがわかりました。昨年の、夏以降の新女王バチを含む通算の捕獲頭数が
3,211頭・・・すでにはるかに上回ってしまいました。
市町村別の詳細を添付いたしましたが、旭川、東川、恵庭ではそれぞれ1,000頭単位
での捕獲が行われています。
昨年の活動にも協力いただいた、強力なモニターさんが、シーズン最初から片っ端から
捕獲をしてくださった結果です。本当に、ありがとうございます。
前にもお伝えしましたが、こういった徹底的な捕獲が行われた地域(いずれも、圧倒的に
セイヨウが多かったことを私自身も確認している地域です)では、在来のマルハナバチたちが
今年は多く見られるようになってきているとのこと。
東川町では、市街地の公園を中心になんと、2,000頭近い女王バチが捕獲されました。
私たちも7月30日から現地調査に入るのですが、さすがに働きバチの飛来が減って
いるのでは??? と楽しみです。皆さん、ありがとうございます。
 
★ 野付半島 訪問記 ★
 
先号でお伝えしましたが、野付半島でのセイヨウ発見の報を受け、急遽6月14日、
15日と野付半島を訪問してきました。
 
6月14日の午後2時過ぎに、現地到着。今回報告をくださったネイチャーセンターの
スタッフの方々、別海町の方、環境省のご関係者など、たくさんの方が集まってくださり
「セイヨウ、いるなら出て来い!」と勢い込んで出かけたのですが・・・ セイヨウには
出会えず。残念ながら、確実に「いる」ことはわかってるので、いるなら出てきてほしかった
のですが(ぶつぶつ・・・)。でも、でも!! あこがれの「ノサップマルハナバチ」には
出会うことができました。以下、写真公開です!
 
 
シコタンタンポポにおっとりととまっています。お尻は白くなく、おでぶの女王バチでした。
・・・でも実は、これは先に研究のために現地に入った研究室の学生さんがとった写真。
・・・私がじっくりみたのは、こんなのでした・・・。
 
 
このノサップマルハナバチ、鷲谷先生が車から降りて調査を始めたとたん、まるで
「わたしたちを迎えてくれるように(鷲谷先生談)」暴風にもかかわらず、けなげに
シコタンタンポポにやってきたのです。先生の「いましたー!」の声に、その場にいた
全員が「どこ?どこ?」と大騒ぎ。特徴をゆっくり確認するため、あっという間に
ガラス瓶の中へ・・・。
セイヨウにはまったく罪はないし、そんなことで差別してはいけないのはわかって
いますが、やっぱり「品が違う」のです←贔屓なのはわかってます・・・。
セイヨウを一度でもしっかり見たことがあれば、ノサップと間違えることはない
(少なくとも女王バチは)と確信がもてました。
ただ、働きバチは一部の個体が白くなることもあって、やっぱりちょっと識別が難しい
場合があるとも・・・。
私たちの滞在中にはセイヨウは現れませんでしたが、残念ながらその後、フラワーソンの
調査が行われた6月16日にトドワラで、それから対岸の別海町でもセイヨウが確認
されました。また、6月14日、弟子屈町の原野でもセイヨウの女王バチが捕獲されて
います。根室や釧路はまだ大丈夫、なんて、甘く思っていられる事態ではないことが
わかりました。
 
シュレンクマルハナバチがセンダイハギにたくさんやってきていました
 
★ フラワーソン調査、おつかれさまでした ★
 
6月16日、17日の2日間、北海道新聞と野生生物基金の主催による
開花植物の市民一斉調査「フラワーソン2007」が行われました。
セイヨウ監視活動のモニターさんにもたくさんご参加いただき、ありがとう
ございました。天候にも恵まれ、無事に調査が終了しました。
新聞記事などですでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、別海町や
釧路をはじめ、これまで情報のなかった地域からも沢山の情報が寄せられ
ました。2,500人の目で、こんな風に花と虫の関係を一緒に調査するなんて
いう機会は、世界的に見てもまれだと思います。
皆さんからいただいた結果を分析して、少しでも問題の解決に有効な対策を
さぐっていきたいと思います。
下記ページから速報が見られますので、ぜひ皆様、ご覧下さい。
(セイヨウオオマルハナバチの項目の「分布の確認」ボタンをクリックしてください)
 
 
★ 8月4日(土) 上富良野の十勝・吹上線沿いのラベンダーで
     マルハナバチ・ウォッチングを開催します ★
 
昨年に引き続き、8月4日、ラベンダーを訪れるマルハナバチたちの観察会を
行いたいと思います。
(去年の結果は、上記から)
ラベンダーはセイヨウだけでなく在来のマルハナバチにとっても魅力的な花。沢山のハチ達が集まります。
このため、ラベンダーに集まる花を観察することで「地域にどんなマルハナバチがどのくらい住んでいるのか」を
推し量ることが出来ます。
町から山にむけてのびる5.5キロのラベンダーのうち、町寄り・山寄り・中央の3箇所に観察地点を設け、
マルハナバチの観察を行います。昨年は、町~山に行くにしたがって、確認されるセイヨウの数が減り
(もっとも山よりの地点では確認ゼロ)、市街地ほどセイヨウの密度が濃いのでは?という結果が示唆
されました。果たして今年の結果はいかに?
在来のマルハナバチの見分け方が知りたい方、たくさんのマルハナバチたちに会いたい方にぜひおすすめです。
次号で詳細をご案内の予定ですが、ご都合のつく方、ぜひご参加下さい!
 
 
★ おまけ:モニターさんの工夫集 ★
 
恵庭のIさんグループから、下記のようなメールが届きました。
たしかにこれは使いやすそう!皆さんもぜひ、お試しあれ??
 
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Kちゃんのお母さんは自転車で通勤していて、
「小さなバッグに入る網が欲しい」とおばあちゃんに相談したそうです。
そこでおばあちゃんが考えたのは100円ショップで売っている
『お風呂のゴミとりネット』を使った携帯網。
ネット部分は交換可能になっている為、取り付けも簡単。
手芸用品店で買ってきたネットを取り付けるだけです。
じょうぶだし、シロツメクサなどには最適だそうです!
 
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そろそろ働きバチの本格的な活動シーズンに入り、巣を見つけられる機会なども
あるかもしれません。まだまだ長いシーズン。今後ともどうぞ、よろしくお願いいたします!