本サイトは更新を終了しました。北海道生物多様性保全活動連携支援センター(HoBiCC)が運営する新「セイヨウ情勢」をご覧ください。
【過去の情報】6月16、17日 セイヨウの一斉調査にご協力下さい!
発信日:2007年06月13日
発信者:菊池 玲奈
梅雨前だというのに、暑い。でも昨日は、北海道が日本で一番暑い!日 だったようですね。6月の中旬だというのに・・・。 皆さん、体調など崩されていませんように。 ★ 今週末、セイヨウオオマルハナバチの一斉調査にご協力ください! ★ この「マルハナ通信」でも以前よりお伝えしてきました「フラワーソン2007」。 北海道新聞と、北海道新聞野生生物基金が主催して5年に1度開催される 市民による「開花植物」の一斉調査。今年はセイヨウも調査項目に加えて いただけることになりました。 今回の調査は、なんと過去最高の2,500名の方が参加されると聞いています。 お天気もよさそう!本当に、本当に楽しみです。 効果的な対策をたてるうえで不可欠である「北海道全体のセイヨウの分布 状況」の一斉把握が、皆さんのおかげで実現できるかもしれません! フラワーソンにご参加いただいていない方も、今週末、6月16日、17日に 行われた監視活動の結果は、こちらでフラワーソン調査の結果とあわせて 分析させていただきたいと思っています。 ぜひぜひ、今週末はセイヨウを観察のうえ、結果をお知らせ下さい(報告 形態は、いつもの調査用紙にご記入いただく形でかまいません。 観察場所、セイヨウの有無をメールなどで取り急ぎお知らせいただく だけでも結構です) 一人でも多くの方のご協力、よろしくお願いいたします! ★ 野付半島でセイヨウオオマルハナバチの女王が確認されました ★ 今日の新聞報道ですでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、 昨年の根室・ノサップ岬に引き続き、希少な「ノサップマルハナバチ」の 生息地である野付半島で、セイヨウオオマルハナバチの女王が相次いで 確認されてしまいました。 5月30日、6月4日に、地元写真家の方と、野付半島のネイチャーセンターの 方が捕獲され、専門家の鑑定により「セイヨウ」であることが確認されました。 私たちがもっともセイヨウの侵入を恐れているのが、高山帯と、このノサップ マルハナバチの生息域です。 ノサップマルハナバチは、野付半島、ノサップ岬など、道東の本当にごく 一部にしか生息しておらず、もともと個体数も多くない「天然記念物級」の マルハナバチです。 進化の歴史が築き上げた、大切な、大切な、北海道の自然の象徴のひとつで あるともいえるかもしれません。 ノサップマルハナバチはセイヨウと同じ亜属(Bombus亜属)に属しています。 よくわかっていないことも多いのですが、よくにた生態的な特性を持っていると考え られます。 ここに競争力の高いセイヨウが本格的に侵入してしまったら、ノサップマルハナバチは どうなってしまうでしょう? しかも、外見がセイヨウに似ているため(ノサップも一部個体はお尻の先が白くなります)、 うかつに捕獲をお願いしてしまうと、その「捕獲圧」でノサップそのものに大ダメージを 与えかねません。 ![]() 野付半島ネイチャーセンターから送られてきた セイヨウの写真 ![]() ネイチャーセンターからいただいた「ノサップ マルハナバチ」の写真。働きバチでは、一部 お尻の色が白いものもいるそうです。 今回の緊急事態に際し、こちらの研究室の鷲谷先生、それから私も、明日・明後日と 急遽野付半島に行き、環境省の皆さんと一緒に現地を調査することになりました。 ・・・今回、改めて思っていることがあります。それは「地域の人たちが見てくださる」ことの 強さです。今回の確認は、写真家の方、それから地元のネイチャーセンターの方が フラワーソンでの調査の呼びかけをきっかけに、東大にご連絡を下さったことがきっかけでした。 昨年の大雪山黒岳9合目でのセイヨウも、やはり地元の自然保護団体の方が見つけて くださいました。 セイヨウは対策が1年遅れれば、下手すると100倍、100倍と増えていく生きものです。 人間の病気もそうだと思いますが「どれだけ早く異変に気づき、対策を始められるか」それが 決定的な分かれ目となる可能性があります。 フラワーソンの調査も、どんな結果が出てくるのか(今はモニターさんがいないため把握 出来ていない地域で、どれくらいセイヨウの報告があがってくるのかどきどきもしますが) 本当に、楽しみなのです。 沢山の自然を愛する方の眼や思いが、早い段階で警鐘を鳴らし、対策を講じると 同時に、その対策の担い手として一番の力です。今後ともどうぞ、よろしくお願いいたします。 ★ 6月2日、恵庭でセイヨウオオマルハナバチの排除活動が行われました ★ 報告が前後しましたが、6月2日、びっくりドンキーを経営している「アレフ」の菜の花圃場で、 セイヨウオオマルハナバチの捕獲活動が行われ、私も参加してきました。 アレフの環境に対する取組の一環で、食用油・BDFの原料として作付されている広大な 菜の花畑! 22名の参加により、1時間ちょっとで80頭の捕獲!うち、77頭が女王バチ(花粉ダンゴ 付は17頭)、働きバチも3頭捕獲されました。 ![]() 恵庭で活動してくださっているモニターさんも集まってくださいました。お休みなのに、 ありがとうございます! 恵庭は昨年は、見ても、見ても、セイヨウばかり・・・心の痛くなる風景でした。 でも、今年はお尻のオレンジのエゾオオマルも沢山! 皆さんの捕獲の効果かな、ととても嬉しくなりました。 === 研究室に毎日届く、皆さんからの調査用紙や標本・・・。 そろそろ女王バチのシーズンも終わりに差し掛かっていますので、次の号では これまでの集計結果もお知らせしたいと思います。 ルピナス、ラベンダー・・・ これから、マルハナバチたちの大好きな花が次々と 開花してくると思います。 皆様、引き続きこれからもどうぞよろしくお願いいたします。 |
2007年の最新状況
2007バックナンバー
参加方法その他の情報 |